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帯には大きく「広島カープ応援してます」の一文――。8月23日に発売された『球場状ラヴァーズ 私が野球に行く理由』は、心底気合の入ったカープファン二人と、さる事情から球場に通い始めた野球シロウトの女子高生、3人のヒロインたちが繰り広げるヒューマンドラマだ。
主人公は、学校でハードないじめにあっている松田実央16歳。本作は、彼女が、名前も知らない「赤い帽子の人」に会うために球場にやってくる――という場面から物語の膜を上げる。未央は、その赤い帽子が広島カープの野球帽だということも知らなかった、まっさらの野球処女。そんな彼女が、東京ドームで出会った二人の珠場仲間から、コアなカープ知識を植えつけられてゆくのだ。
たとえば『美味しんぼ』では、国際問題や恋愛のいざこざをなど、あらゆるトラブルを食事で解決してゆく。あれと同じように、学校生活の中で起こるさまざまな悩みを、広島カープ知識に託して解決の糸口を付けてゆく――というのが本作の基本的なストーリー。夭逝した投手のエピソード、球団を存続させようとした広島県民の「たる募金」、カープを去ってゆくエースを見送る巨大横断幕などなど……作中では広島カープに関する様々なエピソードが紹介され、それらが登場人物たちの抱える悩みとリンクしながら物語が進行してゆく。
「じゃあ、カープファン以外にはつまらないんじゃないの?」――なんて思ってしまうかもしれないが、そのあたりも心配無し。主人公の松田実央は、「打順と背番号って一緒じゃないんですね」と本気で驚いてしまうくらいの野球素人。そんな彼女の視点で物語が描かれるので、カープのことも野球のことも、何も知らない人でも楽しめる作りになっているのだ。ほら、たとえば『美味しんぼ』みたいな薀蓄マンガって、グルメに興味がない人でも、読んでみると面白かったりするでしょ?
この物語の中の広島カープは、『美味しんぼ』の料理のようにあらゆる問題を解決してくれる万能アイテムではないけれど、思春期の悩みを抱える実央が、前に向かって歩いてゆくための重要なきっかけになっている。
そんな彼女にカープ知識を教え込むのが、広島生まれのOLでカープファンの基町勝子と、元彼の影響で野球を見始めたカープファンの下仁谷みなみ。二人ともそれぞれ悩みや問題を抱えているけど、彼女たちも広島カープから元気をもらいながら、それぞれの人生を頑張っている。本作は、気持ちよく現実逃避してスカっと楽しめるタイプの作品ではないけれど、彼女たちが様々な悩みを抱えながら、たどたどしくも懸命に日々の生活を過ごしている姿は読む者の共感を呼ぶことだろう。
作者の石田敦子さんは広島出身で、かつてはカープの二軍の選手の背番号までそらんじていたという根っからのカープファン。2004年から2009年にかけて連載していた『アニメがお仕事!』でも、物語の端々にカープ薀蓄が登場している。
『アニメがお仕事!』は、新米アニメーターがは、新米アニメーターが仕事を通して自己実現を果たしてゆく姿を描いた物語。人間関係や恋愛のトラブル、どうしても理想に届かない技術の壁、齟齬ととして作品を作り出してゆくことの難しさなどなど……主人公は様々なトラブルを抱えて押しつぶされそうになるが、それでも好きな仕事を続けながら人生を一歩一歩進んでゆく。本作はアニメ業界が舞台の作品だが、クリエイター系ならずとも、職業人なら共感できる内容になっている。
『球場ラヴァーズ』も『アニメがお仕事』も、物語のはしばしに欝展開が入ってくるので人によっては好みが分かれてくる。だが、どちらもよくできた成長物語であることは間違いない。特に『球場ラヴァーズ』の方は、あらゆる問題がカープに収束してゆくというカープ原理主義的なストーリーに触れるだけでも、十分楽しめること間違い無しだ。
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